「地域のエネルギーを地域でまかなう」との考えから、産業用太陽光発電事業に乗り出したミタニ建設工業株式会社。自社での発電・売電を行うほか、産業用太陽光発電事業に参入する事業者のサポートを行っています。芸西村に建設した「サンライトミタニ電力発電所」に続き、関連企業のグリーンフィールゴルフ倶楽部で太陽光発電システムが始動しました。

グリーンフィールゴルフ倶楽部 かもべ開発株式会社
総務部長 奥内 雅巳様

日射量豊富なゴルフ場の利を生かす。

———新しく、太陽光発電の事業を始められました。その概要を教えてください。

奥内様 当社グループで太陽光発電事業への取り組みが始まり、このゴルフ場の管理棟とキャディー棟の屋根に太陽光パネルを設置しました。屋根置き型ですので整地や基礎工事などがなく、2ヵ月ほどで完成し、5月1日より稼動しています。年間平均で1日あたり266kwを発電できるシステムです。このゴルフ場の電気をまかなうということではなく、売電に限った産業用太陽光発電です。

———ゴルフと発電、なかなか結びつかないお客様もいらっしゃると思いますが?

奥内様 そうですね。ゴルフ場は木がないので太陽光を遮るものがなく、実は太陽光発電に適した場所なんです。ここは日射量が多く、効率よく発電できます。ゴルフ場は山の自然な姿ではありませんが、この事業を行うことでゴルフ場を自然にやさしいエネルギー生産に役立てることができました。ゴルフを楽しまれるお客様にもお知らせしたいと思っています。これから看板などを作って周知してゆく予定です。

ミタニ建設工業様と宮地電機の太陽光発電コラボ企画
「地域エネルギー応援プロジェクト」

———貴社では従来から省エネに力を入れておられ、そのお考えの延長線上に自然エネルギー事業への参入があるように思いますが?

奥内様 そうです。省エネという面では、これから館内のLED化も視野に入れており、また宮地電機さんにご相談したいところです。現在は、スタッフ一人ひとりが省エネの意識を高く持ち、こまめに節電に努めています。エコという面では生ゴミ処理機を導入しており、環境保全につなげたいと思っています。

———太陽光発電をスタートし、エネルギー資源への考え方は変わりましたか?

奥内様 天気によって左右されるのはもちろんですが、日々の発電量が目に見える形となって現れるのは楽しいですね。これまで電気を消費するだけでしたが、今回大きな投資をして発電システムを作り、生産する側になりました。大切に使わないといけないという気持ちも生まれています。

———運営していく上で難しいことはありますか?

奥内様 始まってまだ日が浅いですし、すべて機械管理で人が関わることもないので、特に問題は感じていません。しかし、これから数年、数十年というスパンで利益を考えていかないといけない事業です。

「サンライトミタニ電力発電所」

奥内様 耐久性やメンテナンスの面でいろいろ難しいこと出てくるかもしれませんね。太陽光パネルの表面の汚れが発電量に影響するので、発電量のデータや表面の状態を見ながら掃除をすることが必要だと思います。黄砂などの影響もあるかもしれませんね。台風等に対する強度は十分なので、大雨はむしろ歓迎だと聞いています。屋根の上は危険を伴うので、掃除のやり方についてもこれから考えてゆきます。

———発電量を増やしていく計画はありますか?

奥内様 まだ先の話ですが、駐車場に屋根をつけ、その上に太陽光パネルを設置することも可能だと考えています。暑さや雨をしのぐことができるので、お客様にも喜んでいただけると思います。広い土地がありますので、美観を損なわず、効率的に発電できるような方法がないか検討してゆきたいです。

———今日はありがとうございました。

担当者のひとこと

数年前まで、太陽光発電システムはCO²の削減に貢献したいという、比較的環境保全の意識が高い人達が設置するものだったと思います。 東日本大震災・福島原発の大事故によって、日本の再生可能 エネルギーに対する政策が大きく前進しました。その結果、家庭用・事業用の太陽光発電が国を挙げて推進されることになり、固定価格買取制度が施行されました。 長期間安定して稼動するシステムですから、シミュレーションどおりの利益を確保できる堅実なビジネスといえます。

市場開発室 省エネルギー担当室 開発課長 大原 一喜