ラ・ヴィータ高知店の、電車通りをはさんだお向かいにある、ご近所の人気店「窪川 BEER STILE Callman 56」様。3周年を前に、店内を改装。オーナーさんからご相談をいただき、店内の照明設計をお手伝いしました

———今回は、ご縁をありがとうございます。久保様からお話をいただいた時には、すでにご自身で改装を進めていらっしゃいました。改装前のお店も素敵でしたが、今回はなぜ改装を考えられたのでしょう?

久保オーナー この店は、オープンしてもうすぐ3周年を迎えます。窪川に本店があり、こちらは店長を雇用し、すべて任せる考えで出店しました。しかし、窪川の店を閉めて高知に拠点を移すことにしたため、本店にあった鉄板台を全部ここに置くことしたんです。

———なるほど。以前のお店はテーブルが高く、ハイチェアを使用しておられましたね。レクリントなど、デザイン性の高いペンダント照明がとてもよく合っていて、素敵な空間でした。照明器具の高さや明るさもよく考えられていると思いましたが、あの照明設計はどなたが手がけられたのですか?

久保オーナー 内装も照明も自分で考えました。

———そうなんですね!とてもセンスのよいお店だなぁと思って拝見していました。

久保オーナー 僕自身はガチャガチャした雰囲気が好きなんです。こっちは人に任せるつもりできれいめに仕上げていたのですが、僕がやるとなるとちょっと雰囲気が違ったので変えたいなと。今回も自分でやっていたのですが、正解か不正解かわからなくなってしまって。

———最初に伺った時には、ダクトレールにつけたスポットライトをベースにして、鉄板の上に光が当たるように照明を工夫されていました。その後をどうしようかと悩んでいらっしゃいましたね。

久保オーナー 鉄板の上の料理にスポットがあたるようにしたいと思っていたのですが、お客様から「暗い」「お互いの顔が見えない」と言われて。急遽スポットを追加したりしました。

———まさに、「暗い」ことに悩んでいらっしゃったのですが、私はむしろまぶしく感じました。それは磨き込まれた鉄板からの反射によるものだと判断し、スポットをいくつか外すことをご提案させていただきました

久保オーナー 鉄板がステージに見えるよう光を当てたいという思いがありました。焼肉店の、網の真上に排気ダクトと照明がセットになった装置の見え方が頭にありました。光が広がり過ぎないように、鉄板の料理に集まるようにというのが、なかなか難しかったんです。

———照明は、対象物の素材と反射率が非常に大事です。ダイニングテーブルでも、ツヤ消しかツヤ有りか、白木かマホガニーかでも違ってきます。ましてや反射率の高いステンレスは照明のプロであってもかなり難しいことです。今回は、鉛直面の照明や間接照明、バウンド光で環境を作っておいて、鉄板には必要最小限の光を当てること。真上からの灯りよりも横からの光をとご提案させていただきました

久保オーナー 棚の照明を作っていただき、これがとてもいいです。僕は、所ジョージの世田谷ベースが好きなんです。この壁がのっぺりしているのが嫌でゴチャゴチャ飾りたいと思っていました。灯りが入ると本当にかっこいいですね。

———この反対側の壁にも、久保様自身が手掛けられた小物のディスプレイとそれを照らす照明が仕込まれており、最初は「これと同じように」とおっしゃっていましたが、同じ照明にせず異なるアプローチでご提案させていただきました

森社員 棚照明も、棚板の上を照らすやり方と棚下を照らすやり方がありますが、ビールの瓶を透過する光がよいのではないかということで、今回は棚板の上側を照らす方法を選びました。瓶の後ろ側にランプがあれば光源が直接目に入ることがありません。棚の下につけると、ランプが見えないようにするためのカバーが必要になるので、この場合は適していません。

———ランプはLEDのテープライトですね。

森社員 ある程度パワーがあって、調光ができるランプを選びました。我々提案する側と使う側のお客様とでは、どうしてもイメージしている光に若干の差があります。色については打ち合わせを重ねていけますが、明るさについてはやってみないとわからない部分が多いので、調光タイプにしました。

久保オーナー このスペースは、初めてのお客様が「わぁ!」と言って喜んでくださいます。特に若い女性のお客様に好評です。

———ここは女性を美しく見せる灯りで満たされているからだと思います。真上からの光はシワやくすみを目立たせるので、女性は本能的にその光を避ける傾向にあります

久保オーナー なるほど。店内、いろいろなところに光を仕込んでいますが、お客様の反応が良いとうれしいですね。

———入口にある大きな木も特徴的です。

久保オーナー あるお店で、チカチカ点滅するイルミネーションを見て、コールマンにもアレ欲しいなと。つける所がないなぁと思って相談したら、工務店さんがデザインコンクリートで木を作ってくれました。

———大きな木のイルミネーションは、私もお手伝いさせていただきました。1球ずつバランスを見ながら、シャンパンツリーの形に仕上げていきました。この久保様のアイデアはとても素晴らしく、反対側のLaVitaから見ても「何だろう?」と思わせるキャッチーな灯りで、とても印象的です。入口付近の壁面が光っているのも人目を引きますよね。

森社員 鉛直面をライトアップするには、スポットライトだとまだらになってしまいますので、均一に照らすために長いライトを1本使ってコーニス照明という間接照明の手法で照らしています。

久保オーナー 今は木の長椅子の背板に取り付けていますが、まもなく革張りのソファに変えますので、また違った印象になると思います。

———お店を入口から覗いた時、オレンジベースの光の中に、ネオンのように映えるブルーの光がとても美しく、人の視線を集めるのに効果的です。

久保オーナー 冷蔵庫に青い光を入れるのが好きなので、とても気に入っています。改装後はリピーターのお客様も増えてきて、店の雰囲気やスタイルを好んで来てくださるお客様が増えたのではないかと思います。

すがのの現場取材記

全て独学で、店舗の図面を引き照明の配置をお考えになる林社長の「お客様がして欲しいことをする」という理念はお店づくりにまで反映されていました。大切な方へ贈られるギフトを、実際に見て手に取って確かめるための大切な照明。村上社員の熱意を汲み取ってくださった林社長のお言葉が染みわたる取材でした。

宮地電機 広報 菅野 乃美