ステンレス加工に拘り、高精度・美観を要求された製品を得意とするフジサキ様。
何よりも社員との信頼関係を重視し、お互いにリスペクトし合う社風は、整理整頓された美しい工場にも表れていました。ソーラーパネルを工場屋根に設置することで、遮熱効果も上がる、一挙両得の太陽光発電を導入されました。

———この度、御社の経営指南書を拝読しましたが、非常に感銘を受けました。こんなに読み応えのある魅力的な指南書はあまり見たことがありません。

藤崎様 もう随分前のものなので、そろそろ新しいものを...と考えているんですけどね。

———藤崎社長の情熱が伝わってまいりますし、個人的に、これまでほとんど意識したことがなかったステンレス加工という技術に興味津々になりました。

藤崎様 ステンレスは面白いですよ。僕は<素材を活かす>ということに拘っています。それには余計な傷を入れないことです。ということは傷をつけないように慎重に扱う、ということです。

———高い美意識が必要ですね。

藤崎様 慎重に扱うことは、繊細な作業をする上で必要不可欠ですしね。ステンレス加工の世界では、薄い物が敬遠されるんです。高度な技術が要求されますからね。でも僕は、難易度が高い方が好きですね。小さくて、軽くて、というのは確かに難しいけど、それこそが高付加価値だと思うんです。

———この度の太陽光発電システムの導入を宮地電機にご依頼くださったのは、どのようないきさつだったのでしょう?

藤崎様 もともと宮地電機さんとは、工場内の空調設備のことなどでお付き合いはあったんですが、太陽光に関しては、ある日別の会社が飛び込みで来られたんです。

———以前から太陽光発電についてはご検討されていたんですか?

藤崎様 いいえ、その時は考えていなかったです。色々と説明されて、きちんとした収益の見込める事業であることが分かったので、具体的に導入を考え始めました。

———その後、数社から提案を受けられたそうですが、何故宮地電機を選んでいただけたのでしょう?

藤崎様 確かに宮地電機さんより安い会社もありました。なおかつ発電量が多いーつまり効率も高い、という会社もありました。

佐古課長代理 私ども宮地電機は、発電量のことだけではなく、メンテナンスのためのエリア確保も考慮してパネル配置を考えます。ですから他社様と比較するとパネルの枚数は少なくなってしまうかもしれず、発電量だけでは劣るかもしれません。しかし数十年とお使いいただくシステムだからこそ、メンテナンスは必須なんですね。

藤崎様 そういう提案も含めて、やはり最後の決め手は宮地電機のブランド力ですね。信頼ができる会社というのが一番です。

———ありがとうございます。

———こちらの工場の屋根は大波スレート瓦だとお聞きしました。太陽光パネルを設置することで、遮熱効果も出てまいりますよね?

岡崎主任 天井面では-15℃前後、室内ではー5℃以上と見込んでおります【サーモグラフィによる表面温度比較データ】

藤崎様 ステンレス加工は、とにかく熱を使います。溶接やレーザー光線のコンプレッサーから出る熱気で、かなり高い室温の中、作業しています。

———空調代も高くなりますね?

藤崎様 というより、空調を入れてもほとんど効いていないのが現状ですね。溶接の場合、ガスが飛んでしまいますので、職人に向けてスポットクーラーを当てるくらいですね。だからソーラーパネルをのせて―5℃という試算は非常に楽しみなんです。

———施工に関してはいかがでしたか?

岡崎主任 実はこちらの完全なミスで、手配していたSUS製の金具が鉄製で納入されたため、工事が延期になってしまったことがありました。申し訳ございませんでした。そして、天候不順もあり、当初の予定より施工が遅れてしまいました。

藤崎様 施工は工場の休業日しか出来ませんからね。とにかく予定していた土日祭日の雨降りが多くて困りましたね。屋根はスレート瓦ですから、作業時に足をのせる位置を間違えると踏み抜いてしまう恐れがありました。躯体のC鋼に架台を固定する方法でしたが、パネルをのせることによって強度の面で安全性が増したことは良かったですね。

岡崎主任 毎年変わる売電価格と、ソーラーパネルやパワコンとのコストバランスとしては最適な時期に導入されましたね。

藤崎様 少し遅いのかと思ってましたが?

佐古課長代理 いいえ。確かに年々売電価格は下がっておりますが、ソーラーパネル等のイニシャルコストも下がってまいります。またパワコンの高効率化などを考えますと、非常に良いタイミングでいらしたと思います。

———先見性がおありで素晴らしいですね。これからは将来のためにどのような事に取り組まれるのですか?

藤崎様 取り組むというか、やはり人材育成は難しいですね。ひとり一人つきっきりで教えることはできませんからね。そして何回も失敗すればいい、というものではなく、慎重にやってもらわなければ。そのために僕は採用の時に5回面接をします。これはお互いのためです。そうやって僕の信頼する、最強の職人集団を作ってゆきたいんです。そして職場環境はこれからもどんどん快適にしてゆきたいですね。

すがのの現場取材記

太陽光発電のエキスパート集団《省エネルギー担当室》のバックアップがあることが宮地電機の強みですが、もうひとつの強みは<デメリットも正直にお伝えする>姿勢だと感じます。何度か耳にしたのは「宮地電機さんより安い会社はいつくかあった。ただ、話がうますぎる、と感じてしまった。その点宮地電機さんの提案は信頼できた。」というお声です。ご縁があったお客様と末永くお付き合いさせていただきたい、という営業担当者の気持ちが伝わってきました。

宮地電機 広報 菅野 乃美