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今回、照明施工させていただいたこちらのチャペルは、サウスブリーズホテル様の3階にあるんですね。

はい。以前はサウスブリーズホテル様のチャペルでしたが、私どもが自社チャペルとして運営することになり、改装をしました。駅前で運営しておりました「St.フェミーレ」の第2章ということで、これまでにない新しいチャペルを作りました。

厳かな雰囲気で、とても素敵な空間です。

通常のチャペルは天井が高く、バージンロードも長く、明るい自然光が差し込む造りですが、ここは天井も低く、密閉された空間です。その中で解放感を感じられるようなチャペルにしたいと考えました。少人数用のチャペルとして、この規模だからこそできるビジュアル的な演出をしています。

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こだわりを感じる空間ですが、こちらのチャペルのコンセプトについて教えてください。

コンセプトは、星の物語です。点灯すると天井にブルーグラデーションの夜空が広がり、真ん中に川が流れ、前方に星がまたたきます。アルタイルとベガ(織姫と彦星)が浮かび上がる仕掛けです。星を蓄光テープでつないで、星座を認識できるようにしています。

とてもロマンティックですね。

普通なら、この真ん中の部分は天の川になるのでしょうが、これは川ではなくて水の揺らぎを表しています。昔の中国では、織姫と彦星が川に映っているところを、水面を揺らしてくっつけようとしたそうです。その水面の揺れ、揺らぎを表しています。ゲストの人たちが応援して、お二人をくっつけてあげてくださいという意味合いもあります。

この壁面も光のラインが幾何学的で美しいですね。

この壁は積木をモチーフにしています。背面に照明を仕込んで、模様が浮き上がるようにしました。ここは、ゲスト30名ほどの小さな家族婚専用の位置づけです。家族愛を感じられる空間にしたかったので、その象徴として積木を選びました。ここで式をする時は、まず照明を全灯にしてお客様にご入場・ご着席いただき、目を閉じていただきます。その間に照明を落として夜空に星が光る状態にします。大理石の床にも星の光が映り込み、目を開けていただくと宇宙空間に立っているような感じになります。星明かりの中、新郎・新婦が扉を開けて入ってきたところで、お二人の姿が浮かび上がるように光が当たります。前方に歩いていく間も、お二人にだけ光が当たるようにしています。

このようなチャペルを作ろうと思われたのはなぜでしょう?

今は、テーマウェディングやコンセプトウェディングが多くなっています。披露宴会場はそれに合わせて作っていきますが、ホテルや結婚式場のチャペルは私どもが介入することができず、その空間も進行も同じです。りぼんなら、こんな式次第にするのに、こんな演出をするのに、と思ってもできません。それができるのが、自社のチャペルです。また、コロナ禍の中、チャペルで写真だけ撮りたいという方や、予算を抑えて写真だけ、という方もいらっしゃいます。他の施設の場合は、衣装やカメラマンの持ち込みはNGで、仮に施設側にお任せして撮ってもらうとなると、金額も高くなってしまいます。

オリジナルのお式やフォトウェディングのニーズに応えるということですね。りぼんさんには優秀なプランナーさんが13人もいらっしゃいますから、お客様のニーズも十分理解されていることと思います。

主にウェディングプランナーが新郎・新婦と密に話し、お二人が挙げたいオリジナルの式を作っていきます。ここはすべて人前式なので、進行は自由に作れますし、ゲスト参加型の式もできます。それぞれのご家族に応じて一緒に考えていきます。 もちろん、照明の演出もお好みに応じてプランいたします。中には、最初から最後まで全灯の状態でという方もいらっしゃいますし、照明演出は強制ではありません。

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このチャペルの施工について、苦労した点について教えてください。

ズバリ、星です。光ファイバーを使用していますが、天井に穴を開けて針金を入れ、その先に光ファイバーをつけて引っ張りました。天井裏がとても狭い上、いろいろな物があるので苦労しました。星明かりの強弱に合わせてファイバーの太さを変えていて、一番大きな星は7本を束ねたもの、最小は1本です。

1本から7本まで、星の明るさに段階があるのですね?細工が細かいですね。穴の位置はどうやって決めましたか?

最初にデザイナーさんが描いた写真を拡大して床に位置を記し、そこから上向きにレーザーポインターで光を当てていきました。当初の予定では、天井の上に照明を入れ、天井に穴を開けてアクリル板を貼る方法を考えていました。しかし、それではキラキラ感が出ないと思い、途中から光ファイバーに変更しました。

そうですね。穴を透過した光とは、煌めきが全然違うと思います。
こちらの照明は、調光・調色はできますか?

調光は可能ですが、調色はできません。この空を表現している中央部分の青色の間接照明は、昼光色のシームレスライトに青色のフィルムを巻いているんです。LEDのテープライトの納期が間に合わないのと、予算的な都合でこの手法を取りました。この光がぼんやりと広がる感じを表現するのがとても難しかったです。そのまま取り付けると、陰影がくっきり出てしまうんです。角度や位置の調整が大変でした。

光の伸びや広がりは、実際にそこに置いてみないとわからないですから、時間がかかったと思います。シームレスライトをつないでいるということですが、つなぎ目はまったくわかりませんね。

そこも工夫した点で、ランプの端を重ねるように、互い違いに配置してつないでいます。光が自然につながるよう、何度も何度も微調整をしながら進めました。

フィルムを使うと、重なり箇所で青色が濃くなる部分もあったのではないですか?

はい。そこはフィルムを少し剥いでみたり、重なり部分を短くしたりして調整しました。

それは大変でしたね。しかしながら、それこそが村岡さんの腕の見せ所だったと思います。今回、「僕らの仕事」でも初の親子コラボでしたが、いかがでしたか?

やりにくかったです(笑)

私は、何でも言えてよかったです(笑)。今回は、最初から照明はすべて任せると言っていましたし、照明効果を出せる会場にしたいと伝えていたので、思いを汲んでやってくれたと思います。

そうですね、イメージは共有しやすかったと思います。ただ、デザイナーさんが描いたプランをどう表現しようかと悩み、先輩に聞きながら答えを出していきました。

村岡社長が、一番お気に入りの点を教えてください。

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床の大理石に映りこんでいる星灯りです。見学に来られたカップルに目を閉じていただいて、この宇宙空間の演出を見せると「わぁ!」という声が上がります。そういう感動する仕掛けもないと、小さいチャペルでしかないですから。この星の照明はとてもよかったと思います。内装に関しては工務店の大工さんにご苦労をおかけしました。この積木のピースを一枚一枚貼るのはとても大変で、何度もやり直してくださいました。私は、薄いクロスのようなものを貼るんだろうと考えていましたが、このような厚い部材を使ってくれたので、高級感が出ました。光の陰影がきれいに出ています。デザイン画がそのまま再現されています。

りぼんウェディング様のこれからの結婚式についてのビジョンを教えてください。

当社には、「ウェディングの世界を奏でるエンターテイナーに」というビジョンがあります。ウェディングは非常に多様化していますが、どんなものにも対応していこうという姿勢です。当社は「やれないことはない」を基本としています。 ホテルや結婚式場の場合は、その箱の中で完結しなければならないという制約があります。しかし、お客様のご希望はさまざまで、当社は許可さえ取れればどこでもできるので、特に挙式の場合は選択肢が広がります。できる限りご要望にお応えして参ります。

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○インタビュー:宮地電機 広報 / ○ライター:深田美佳 / ○写真:釣井泰輔「ツルイスタジオ」/ ○取材日:2020.6.22

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