浄化槽の維持管理などを担う水再生システム事業、浄化槽設置、下水道工事や防犯カメラシステム等を扱う設備事業、災害用トイレなどの防災製品開発事業、そして健康と楽しさを創造するスポーツカルチャー事業と、4つの分野でまちづくりに寄与する有限会社四国浄管様。6月に新社屋が完成し、2階にはフィットネススタジオ「The CAMP」がオープンしました。南御座エリアに、新たなランドマークの誕生です。
———この度は、新社屋の完成おめでとうございます。また、宮地電機の照明音響等ご採用いただきましてありがとうございました。
戸田 ありがとうございます。お世話になりました。
———戸田社長は、高知市内で「秦体育館」を主宰され、空手とキックボクシングを教えていらっしゃいました。師範でいらっしゃるそうですね。こちらは1階が四国浄管様の社屋で、2階がフィットネススタジオになっていますが、このような社屋を建てられた思いをお聞かせください。
戸田社長 私は東京で映像制作の仕事をしていて、15年前に高知に帰ってきて会社を継ぎました。一方、格闘技は44年間続けており、東京では正道会館で空手とK-1をやっていました。帰ってくる時に「高知で道場を開けばいいじゃないか」と言われたんです。久しぶりの高知は何だか活気がなくて、ちょっとやってみようと思って正道会館高知県本部を開設しました。始めてみると3カ月で100人を超える人が来てくれて、熱心にやってくれるんです。私も体が続く限りやろうと決めて頑張ってきました。そうこうする内に、四国浄管の社屋がかなり老朽化していて、建て替えの時期を迎えたこともあり、秦体育館の道場をこの2階に移転することにしたのです。
———この南御座エリアにはいろいろなお店ができ、人通りも多くなりましたね。
戸田社長 それも決め手の一つでした。さまざまな文化醸成のエリアであり、私はここを「高知の代官山」と呼んでいます。ランドマーク的なものが必要だと思い、当社がその一つになればと考えました。
———確かに、目を引く建物ですね。窓が大きくて、この2階フロアはとても明るい空間です。
戸田社長 この照明が、自然な感じでとてもよい光を放ってくれています。天井の高さや勾配、空間の大きさから必要な照度を割り出して、ぴったりの照明を提案してくださいました。
近藤担当室長 戸田社長から社屋建設のお話を伺った時に、いろいろと熱い思いがおありのように感じていました。ですので、私も照明・音響ともに、当社の部門のエースが対応させていただくと聞いて、ほっとしました(笑)
戸田社長 清々しく、気分を活性化する明かりです。しっかりと床面が見え、まぶしさもありません。大きなスピーカーも設置していらっしゃいますね。
戸田社長 はい。当初はここでパブリックビューイングもやりたいと思っていたんです。
———K-1の入場のような演出もできればとおっしゃっていましたね。
戸田社長 そうです。幻想的な雰囲気の中でやってみたいとか、いろんなアイデアやイメージが浮かびましたね。ミラーボールまで考えていましたから(笑)。さすがにそれは止めましたが、パブリックビューイングは、将来的にそれに賛同して一緒に作り上げてくれる人がいれば、やってみたいと思っています。
近藤担当室長 いろいろなことを想定し、ある程度対応できるような配線にしています。
———今後が楽しみですね。ここでは主にどんなトレーニングを行うのでしょうか?
戸田社長 ここは「スポーツのテーマパーク The CAMPフィットネススタジオ」です。ムエタイ、空手、キックボクシングのエクササイズプログラムと、キッズプログラムがあります。子どもたちが、ボルダリング、うんてい、ラダーなど、身体を動かして勝手に遊んだり、TRXの自重トレーニング、マシントレーニングもあります。とにかく楽しむこと。「楽しんでからこそ、スポーツ」がコンセプトです。私はこの「スポーツのテーマパーク」を核に、高知の滞在型の観光に広げていきたいと考えているんです。世界中から高知に、遊びに、鍛えに来てほしいです。
近藤担当室長 高知だけではなく世界規模でお考えなのですね。
戸田社長 当道場では、10年以上前から空手はルーマニア人の先生が英語で教えています。また今回は、ムエタイのトレーナーを雇用しました。
実は、タイのチェンマイに、日本人がオーナーを務める「The CAMP」という施設があり、小さなホテルを併設し、滞在型の短期集中ムエタイトレーニングを提供しています。半分以上が海外からの客で、ビジネスマンが2週間から1カ月、バケーションでやってくるんです。ここも同様の「The CAMP」にしたいんです。
高知は自然が豊かで、川遊びやダイビング、釣りなど魅力的な遊びもたくさんあります。吉野川でラフティング、柏島でキャンプ、室戸廃校水族館に行くのもいいし、1階のセミナールームで書道を体験してもらうのもいいですね。家族で滞在したくなる、そんなプログラムを提供していきたいです。
———日本でムエタイを習いたいという人がいて、そんな海外からの短期留学の需要も高いのですね。なるほど。世界に発信する基地になりますね。
戸田社長 海外から直接高知に訪れる観光客が増え、民泊も増えるでしょう。浜田知事には高知龍馬空港国際化の折には、LCCだけではなくメジャーライン就航を誘致してほしいとお願いしているところです。
———すばらしいです。同じ南御座に社屋がある私どもとしても、ワクワクします。
企業としても高知のことを大切にお考えで、来る南海トラフ地震に対応する商品を開発していらっしゃいます。
戸田社長 当社では、通常は災害必需品やトイレを格納する地下備蓄槽で、災害時には大容量のトイレ設備となる「災害トイレ2ways大地くん」を開発しました。南海トラフは、地震そのものへの対策がなかなか立てられません。事前の準備とその後の対策しかありません。それをいかに充実させるかです。
近藤担当室長 大地くんは、地中に埋設する浄化槽を発展させたもので、とても優れた発想です。平成30年に高知県地場産業賞を受賞されています。
戸田社長 機能の高いものを作ることも必要ですが、非常時にみんなが使うものは極力原始的な方がいい。原始的なことに立ち返るというコンセプトから生まれたものです。
———ありがとうございます。高知県民として心強いです。その他、社長様はブラジルでの医療支援にも貢献されていると伺っています。
戸田社長 高知南ロータリークラブの奉仕活動の一つです。高知大学医学部長の菅沼成文教授から相談があり、医師を派遣して内視鏡による高度医療の普及支援を行いました。私も私費を投じて4回ほどブラジルに行きました。
———会社経営、ジムの運営とご指導、そして世界での奉仕活動まで、幅広いご活躍です。
戸田社長 東京ではマスコミの仕事をしていて、映像制作のディレクター、プロデューサーをやっていました。やはり「何かを仕掛ける」ことが好きなんですね。考えて、動くことが身に着いているようです。
———そのようですね。南御座から世界へ、今後ますますのご発展を楽しみにしています。
○インタビュー:宮地電機 広報 / ○ライター:深田美佳 / ○写真:釣井泰輔「ツルイスタジオ」/ ○取材日:2020.06.22